まず何を想起するのかをハッキリ認識する必要があります。
一般に自己想起という場合、自分の肉体の感覚、呼吸、思考、感情などに、
気づいていることだと考えるケースも多いようです。
しかし、これらは「自己」ではありません。
「自己」は肉体や思考、感情の内側に在って
それらを裏からじっと見ている存在です。
今、この文字を目を通して見ている存在が「自己」です。
「自己」は目の内側、眉間の奥、意識の中心にあって
そこから肉体を含めた自分の存在を体験、認識しています。
「自己」こそが、この世にやって来た私(あなた)の正体です。
それは意識体であり、肉体ではありません。
肉体に宿り、それを操縦する者です。
「自己想起」とは、この「操縦者」を想い起こし、気づきを定め、
覚醒状態を保ち、定着させることです。
習い事は一日数時間ですが、「自己想起」は一日の起きている間すべてです。
「人の子が頭を横たえる場所はないのです」とキリストは言っています。
意識の中心に、日に何度も注意を引き戻すことです。
私たちの関心は、目に映る周囲のできごとと、
脳内のおしゃべりに向けられています。
やっつけなければならない考え事に追われ、
すべてが解決しないまま、疲れて床に就きます。
翌日起きると別の新らしい、処理すべき考え事に追われ、
その日もまた一日中、対処法を考えて終わっていきます。
これが一生繰り返されます。
この輪の中から抜け出し、夢から覚めた
「自己意識」の状態へ還る作業が「自己想起」です。
いつでも中心を保ってください。
愛と充足感の源である「自己」を見失わないでください。